はじめの一歩
2003年10月のある日。
私はドキドキしながら、中央駅からそう遠くない自然療法士養成学校の教室に座っていました。ここの学校は、カリキュラムの途中から参加できるので、その教室には、学校に通い始めて1年以上たった先輩たちも座っていました。
ちゃんとついていけるだろうか。
決心して、どうせやるんだったら一番前の席でしっかり聞こう、と先生の真ん前の席に座ったものの、不安がよぎります。すると、髪の長い細見の女性が教室に入ってきて、私の横に席をとりました。私を見て、「始めまして。サビーネ(仮名)です。今日、初日なのでよろしくね。」と握手をもとめてきました。「私も今日初めてなの。みさおといいます。こちらこそ、よろしく。」こうして、あっという間に仲間ができました。
やがて先生が教室に入っていらっしゃいます。こちらも髪の長い小柄で細見の女性。すでに自然療法士として活躍しているサブリナ(仮名)さんに注がれるみんなの視線は、どこか憧れに満ちています。
今日のテーマは呼吸器官。この小柄な体のどこから、これだけのパワーが出てくるんだろう、というぐらい、しっかりした速めの口調で呼吸器官について語りだすサブリナさん。テキストはあるものの、補足しないとわからない。彼女が説明することを全てきちんと書き留めるなんて、まず無理。学校というものから離れて随分になる私は、学び方というものを忘れているのかもしれません。まずはドイツ語での医学用語が理解しにくい。途中、休憩があるものの、この調子で何時間も集中し続けなくてはなりません。初日から、目が点になったり、ちょっと油断して聞き逃して慌てたり、他の人がした質問じたいが分からず、内心青ざめたり、でかなり消耗した一日目でした。
授業が終わると、サブリナさんがサビーネさんに、それまで授業に使っていたメモを丸ごと手渡します。
え、何だろう。そういうのあり?
あとで知ったのですが、この二人は実はその前から中の良い友達でした。ドイツでは子供が生まれると、親とは別に、代母、あるいは代父、というのを定めることがあります。これは、親戚の誰かかもしれませんし、親友になってもらうこともあります。代母、代父は、万一親に何かあった場合、その親の代わりに、子供が成人するまでの面倒を請け負う、
という役割を担います。ですので、代子の誕生日には、大抵よばれて一緒にお祝いしたりもします。このずっと後になりますが、サブリナさんはサビーネさんの子供の代母になりました。そのくらい、親しい関係のふたりなのでした。おそらくは、サブリナさんに触発されて、自分も自然療法士になりたいと思ったのでしょう。
さて、自然療法士養成学校での休み時間の話題といえば、いつ試験に行くか、どんなセラピーメソッドを学びたいか、などになります。自然療法士の資格は、あくまでその人が、西洋医学の基礎知識をしっかり把握しており、患者さんの命に係わる、誤った判断をしない、ということが大前提条件になります。ですので、試験の内容、そして学校で学ぶ内容も西洋医学についてであり、アロマセラピーとかレフレクソロジーとか、試験合格後実際に治療方法として提供したいものについてはそれぞれが別途に学ぶことになります。それでもホメオパシーやアロマセラピーなど、興味を持つ人が多いので、大抵の学校は別枠でセミナーをオファーします。
私もホメオパシーのミニセミナーに参加したことがあります。これは何年にも渡るクラシックホメオパシーのセミナーではなく、重要なレメディーのみピックアップして教えてくれる、みんなに使えるお気軽でリーズナブルなセミナーでした。その後自然療法士になった私ですが、いまでもこの時に教えてもらったホメオパシーのレメディーは重宝しています。私の日常でも、そして場合によっては患者さんに推薦するにも、知っていて得する知識を得ることができました。
ではこの続きはまた次回。
皆さん良い一日をお過ごしください。
ヘッダー画像、記事内の画像:アクリル画 Misao作 / Copyright 2020Misao
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